お役立ち情報
2024/06/18屋根の種類┃新潟市
雨風や日差しから建物を守る屋根。住宅に無くてはならない存在ですが、屋根の材質や形状には多くの種類があることをご存知でしょうか?
屋根材には、軽量で耐震性に優れる金属製、柔らかく割れにくいシングル材、塗装不要な粘土系などがあり、素材によって特徴はさまざまです。
また、同じ素材でも屋根材により機能性や耐久性は異なります。屋根形状も外観の印象を決める重要な要素となるため、しっかりと比較検討したうえで選びましょう。
屋根の種類【屋根材編】特徴やメリット・デメリット
住宅によく採用されている屋根材を8種類紹介します。
1.化粧スレート
化粧スレートとは、セメントなどに繊維素材を混合して薄い板状に加工した屋根材のこと。「カラーベスト」や「コロニアル」といった商品名で呼ばれることもあります。厚さは5mm程度と薄く、非常に軽いことが特徴です。
化粧スレートの耐用年数は20~30年となりますが、化粧スレート自体に防水性がないため定期的に塗装が必要です。防水性が失われると雨水を吸収してひび割れたり欠けたりし、雨漏りの原因となるため注意しましょう。
メリット
デメリット
👆2004年以前に製造された化粧スレートには、有害物質であるアスベストが含まれている可能性が高いです。アスベスト含有の化粧スレートを葺き替える場合は、アスベストの処分費用が別途必要になります。
既存屋根を撤去しない「カバー工法」であればアスベストの処分費用はかかりませんが、下地材や防水シートの劣化が進行している場合はカバー工法によるリフォームは適していません。詳しくは専門業者に問い合わせてください。
2.天然スレート
天然スレートとは、粘板岩と呼ばれる岩石を薄い板状に加工した屋根材のこと。天然素材ならではの質感や高級感のあるデザインが特徴です。また、耐久性が高く素材そのものに防水性があるため、塗装する必要がありません。
天然スレートは重要文化財に指定されている建築物の屋根に採用されていますが、高度な施工技術が必要とされるため、一般住宅にはあまり普及されていない屋根材です。
メリット
デメリット
👆天然スレートの耐用年数は30年以上です。原料である粘板岩は板状に加工しやすく、古くからヨーロッパの建築材料として採用されてきました。数百年もの間、雨風に耐える丈夫さがあり、今なお美しさが保たれています。
3.ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は「金属系サイディング」の一種であり、アルミニウムと亜鉛、ケイ素の合金にメッキを施した屋根材のこと。金属製でありながら錆びにくく、シンプルで洗練されたデザインが人気を集めています。
非常に薄く軽量なため、施工が容易で工期が短縮できるといった利点もあります。
ただし、断熱性や遮音性はあまり期待できません。断熱性や遮音性を高めるためには、断熱材を施工または断熱材一体型のガルバリウム鋼板を採用するとよいでしょう。夏の暑さも和らぎ、金属屋根に当たる雨音も小さくなります。
メリット
デメリット
👆耐用年数は20~25年と長く、定期的に塗装メンテナンスをおこなえば40年以上の長期使用も期待できます。また、非常に軽いため、カバー工法にも適した屋根材です。
4.石粒付ガルバリウム鋼板
石粒付ガルバリウム鋼板は、基材となるガルバリウム鋼板の表面を石粒でコーティングした屋根材で「ジンカリウム鋼板」とも呼ばれています。
最大の特徴は、メンテナンスフリーなこと。石粒でコーディングしているためほとんど色褪せることがなく、塗装メンテナンスの必要がありません。また、石粒が雨音や熱を吸収するため、断熱や遮音効果も得られます。
ただし、屋根が汚れても高圧洗浄機は使えません。石粒が剥がれ落ちてしまうとその効果が失われ、鋼板が錆びる恐れがあります。
メリット
デメリット
👆耐用年数は30年以上で、水洗いや屋根裏の換気を定期的におこなえば50年持つといわれています。施工がしやすいため、リフォームにも最適な屋根材です。
5.トタン
トタンとは、薄い鋼板に亜鉛をメッキした金属製の屋根材のこと。非常に軽量で継ぎ目が少なく、傾斜の緩い屋根でも雨漏りしにくいのが特徴です。トタンは滑りが良いので屋根に積もった雪が落ちやすく、一昔前までは雪国で主流の屋根材でした。
トタンは金属製で薄いことから、遮音性や断熱性は期待できません。雨音が響きやすいため、屋根裏に吸音材を敷くなどの対策が必要です。さらに、断熱材の施工や断熱・遮熱塗料で塗装することで、夏の暑さと冬の寒さを和らげることができます。
トタンは耐久性が低いため、塗装メンテナンスは欠かせません。メンテナンスを怠ると表面のメッキが剥がれて錆が発生し、最悪の場合穴が開いて雨漏りが起こります。
メリット
デメリット
👆トタンの耐用年数は15~20年ほどで、住宅のほかにも工場や倉庫にも使われています。
6.アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付け接着したシート状の屋根材です。原料のガラス繊維とアスファルトが高い防水性を持つことが特徴です。柔軟性があり割れにくく、金属屋根のように錆びることがありません。
アスファルトシングルは接着剤で貼り合わせていくため、屋根に釘などの穴が開かず雨漏りしにくいのが利点です。
その反面、接着剤でくっついているだけなので強風に弱く、表面がザラザラとしているため、水はけはあまり良くありません。雨水が流れにくく滞留しやすいため、カビや藻の発生を防ぐためにも定期的なメンテナンスが必要です。
また、屋根材のシェア率が低いため施工できる業者が限られる点にも注意しましょう。
メリット
デメリット
👆耐用年数は20~30年となりますが剥がれやすいため、定期的な点検やメンテナンスが必要な屋根材です。
7.日本瓦(和瓦・粘土瓦)
日本瓦とは、練り上げた粘土を焼成した屋根材のこと。古くから使用されている屋根材で、別名「和瓦」や「粘土瓦」とも呼ばれています。
耐久性が高く塗装の必要がない日本瓦は、ほかの屋根材と比べてメンテナンスコストがかからないことが最大の特徴です。
また、原料である粘土が雨音を吸収してくれるほか、瓦屋根と下地の間に空気層が生まれるため、夏は涼しく冬は暖かい室内環境が叶うこともメリットです。
一方で、日本瓦は重いといったデメリットがあります。屋根が重いと重心が高くなるため地震の揺れが大きくなります。日本瓦を採用する場合は、その荷重に耐えられるだけの構造を持った建物であること、ガイドラインに沿ってきちんと施工することが大切。地震による脱落やズレ、倒壊も生じにくくなります。
メリット
デメリット
8.セメント瓦・コンクリート瓦
セメント瓦とコンクリート瓦はどちらも主成分がセメントですが、それに川砂を混ぜたものがセメント瓦、砂利を混ぜたものがコンクリート瓦となります。1970~1980年代に主流となった屋根材の一つですが、現在はほとんど生産されていないため新築住宅ではあまり使われていません。
そのため、同じものに交換することが難しく、そのうえカバー工法ができないため、破損したり劣化が激しくなったりした場合は別の種類の屋根材に交換する必要があります。
なお、コンクリート瓦を塗装する際は、専門的な知識を持った実績豊富な業者に依頼しましょう。コンクリート瓦の表面にはスラリー層と呼ばれるものがあり、適切な処理をおこなわないとすぐに塗膜が剥がれたり施工不良を起こしたりする可能性が高いからです。
メリット
デメリット
👆耐用年数はどちらも30~40年ですが、これは正しくメンテナンスをおこなった場合の年数です。原料のセメントは衝撃に弱くひび割れが生じると雨漏りを起こすため、補修は早めにおこないましょう。
次回→「屋根の種類【形状編】特徴やメリット・デメリット
」をご案内★コチラからご覧いただけます。
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